夏至は英語で”summer solstice”と言いますが、”midsummer”という表現もあります。ちょっと調べてみました。
はじめに
夏至は一年で一番昼の時間が長い日です。その英語表記について調べてみました。
日の出が早いのは6月7日あたりから19日あたりまで、日の入りが遅いのが6月23日あたりから7月4日あたりまで。
天文学的に、慣習的に
調べたところ、天文学的には”summer solstice”が正しいようで、今年(2023)は6月21日のように決まっていて、昼間の時間が年間で一番長い日と言う定義そのもののようです。
一方、”midsummer”は真夏という意味もあるようですが、実際には夏至を含む数日間を指す用語です。
“midsummer festival”という夏至祭はヨーロッパなどの高緯度地域で行われ、これが一般的に認識されている風習のようです。
日本の文化で例えると、元旦とお正月の関係に似ているかなと思います。
日本では夏至としてはお祭りとしてはないようですが、調べた範囲では「茅の輪くぐり」とかありますね。
冬至だとかぼちゃを食べるとか、ゆず湯に入るとか全国で共通した習慣ありますが、夏至は地方地方でいくつかあるくらいです。日本では梅雨のど真ん中にあたるせいかな。
真夏の夜の夢
こうした話を知った上で、シェークスピアの「真夏の夜の夢」A Midsummer Night’s Dream を考えますと、これは夏至祭の前の5月の乱痴気騒ぎが題材です。そうなると私はこのタイトル誤訳じゃないかと思いました。
坪内逍遥はどう考えて「真夏の夜の夢」としたのか興味深いところです。近年出版されたものは「夏の夜の夢」とされています。
とはいうものの、原作でも、Midsummerといっておきながら5月の話を展開するのはどいうことなんでしょうね。
例文
Midsummer
Nordic mythology often associates Midsummer with magical creatures and supernatural events.
北欧神話では、夏至祭はしばしば不思議な生き物や超自然的な出来事と結び付けられる。
In Nordic countries, traditional costumes are worn on Midsummer’s Day, and events featuring dances and music are held.
北欧の国々では、ミッドサマーには伝統的な衣装を身にまとい、踊りや音楽を楽しむイベントが開催されます。
Summer Solstice
Stonehenge in England is known for its alignment with the summer solstice sunrise, attracting visitors from around the world.
イギリスのストーンヘンジは夏至の日の出と重なることで知られ、世界中から観光客が訪れる。
謎多きイギリスの世界遺産「ストーンヘンジ」の歩き方
地球の歩き方編集室
garethwiscombe – CC 表示 2.0, リンクによる
At Married Couple Rocks(Meoto Iwa) in Ise, the morning sun rises between two rocks around the summer solstice.
伊勢の夫婦岩では、夏至のころ、2つの岩の間から朝日が昇ります。
夫婦岩から見える美しい日の出伊勢だより 伊勢市観光協会
終わりに
昼間が長いとなんか得した気分になりますね。朝が明るいから早くから活動できるし、明るいうちに仕事を、なんてがんばっちゃうかな。あるいは夕方早めに終わっても暗くまで時間があるからその娯楽もできるかな。
なお、アイキャッチ画像は Midjourney で作成したものである。
対訳・注解 研究社シェイクスピア選集 第2巻 「真夏の夜の夢 ――A Midsummer Night’s Dream」
こちらは対訳のもの。
A Midsummer Nights Dream In Plain and Simple English (A Modern Translation and the Original Version) (Classics Retold)
こちらは簡単な英語に書き換えられたものと原作を並べたもの。