1. 序章
会議中、一つの議題で議論が止まってしまい、時間がどんどん過ぎていく……。 そんな経験はありませんか?
ビジネスの現場では、その場ですぐに答えが出ない問題に直面することがよくあります。 しかし、そこで立ち止まっていては、他の重要な決定事項まで遅れてしまいます。
そんなときに、スマートに「一旦その話は置いておいて、後でまた戻りましょう」と提案できる魔法のフレーズがあります。 それが “circle back” です。
単に「後回しにする」のではなく、「必ず戻ってくる」という責任感を伴ったこの表現は、議論を効率的に進めるための必須スキルです。
今回は、ネイティブのビジネスパーソンが頻繁に使うこの “circle back” について、その意味や背景、そして実践的な使い方を解説していきます。
2. 説明:意味・由来・使いどころ・類義語
2-1. 意味
circle back は、「(後で)話に戻る」「(後で)また連絡する」「立ち返る」という意味の句動詞です。
直訳すると「円を描いて戻る」。 今の場所(話題)から一度離れて別の場所へ行き、また元の場所へ戻ってくるイメージです。
- Let’s circle back to this. → (今は別の話をして)後でこの話題に戻りましょう。
- I’ll circle back with you. → (確認してから)後ほどあなたに連絡し直します。
「今は決められない」「情報が足りない」といった状況で、議論を前進させる(move on)ために使われる、非常にポジティブで建設的なフレーズです。
2-2. 由来
この言葉のイメージの源泉は、物理的な動きにあります。
一説には 航空用語 に由来するとも言われています。 飛行機が着陸の順番待ちや天候回復を待つために、空港の上空を旋回(circle)して待機し、タイミングを見て戻ってくる様子です。
また、狩猟や探索において、獲物や目標地点を見つけるために大きく迂回して元の位置に戻る動作からも連想されます。
ビジネスにおいては、「話題の周りをぐるっと回って、またここに戻ってくる=完全に無視するわけではなく、必ず再訪する」というニュアンスが含まれています。これにより、相手に対し「あなたの意見を無視するわけではない」という安心感を与えることができます。
2-3. ビジネスでの使いどころ
- 議論が膠着(こうちゃく)して、時間が足りなくなったとき
- 手元にデータがなく、確認してから返答したいとき
- 相手の提案に対し、今は即答できないが、検討することを伝えたいとき
2-4. 類義語
- revisit(再考する、また取り上げる)
- Let’s revisit this topic next week. (来週この話題を再考しましょう)
- get back to(〜に返事をする、戻る)
- I’ll get back to you on that. (その件については後でお返事します)
- touch base(連絡を取る、状況を確認し合う)
- Let’s touch base later. (後ほど連絡を取り合いましょう)
- follow up(その後の、追いかけをする)
- Can you follow up with the client regarding the contract? (その契約の件について、クライアントにその後の契約状況を確認してくれますか?)
3. ストーリー(Beacon Biosciences)
3-1. 英文ダイアログ
Scene: Beacon Biosciences meeting room. David (Project Manager) and Emily (Researcher) are discussing the timeline for a new drug development project.
David: Thanks for joining, Emily. We need to finalize the project timeline today.
Emily: I agree, David. But I have a concern about the Phase 2 testing schedule.
David: What is the issue? Is it about the resources?
Emily: No, it is about the data analysis. We might need two extra weeks.
David: Two weeks? That pushes our launch date back significantly.
Emily: I know, but the new assay protocol takes longer than expected.
David: We cannot afford a delay right now. Management is watching this closely.
Emily: If we rush the analysis, we might miss critical errors.
David: I understand your point on quality. However, we need to approve the budget first.
Emily: Can we adjust the budget to hire more analysts?
David: That is a complex question. I don’t have the budget numbers here.
Emily: So, we can’t decide on the timeline yet?
David: Not exactly. Let’s finish the other agenda items first.
Emily: Okay, but the testing schedule is the bottleneck.
David: Let’s circle back to the schedule at the end of the meeting.
Emily: That sounds fair. I’ll ask Jake to check the team’s availability right now.
David: Good idea. If we get his reply, we can finalize it today. Let’s move on to the marketing plan for now.
Emily: Alright. I am ready to listen.
David: We can resolve the schedule issue once we clear the other points.
Emily: Understood. Let’s proceed.
3-2. 動画
3-2. 日本語訳と解説
場面:ビーコン・バイオサイエンシズの会議室。プロジェクトマネージャーのデイビッドと研究員のエミリーが、新薬開発プロジェクトのスケジュールについて話し合っている。
David: 参加してくれてありがとう、エミリー。今日中にプロジェクトのスケジュールを確定させる必要があるんだ。
Emily: そうね、デイビッド。でも、第2相試験のスケジュールについて懸念があるの。
David: 何が問題なんだい? リソースのことかな?
Emily: いえ、データ解析のことよ。あと2週間余分に必要かもしれないわ。
David: 2週間? それだとローンチ日が大幅に遅れてしまうな。
Emily: わかっているわ。でも新しい分析プロトコルは予想以上に時間がかかるのよ。
David: 今、遅延は許されないんだ。経営陣がこれを注視しているからね。
Emily: もし解析を急いだら、重大なミスを見逃すかもしれないわ。
David: 品質の重要性は理解しているよ。でも、先に予算を承認しないといけない。
Emily: 予算を調整して、分析担当者を増やすことはできる?
David: それは複雑な問題だな。ここに予算の数字がないんだ。
Emily: じゃあ、まだスケジュールは決められないってこと?
David: そういうわけじゃない。先に他のアジェンダを片付けてしまおう。
Emily: わかったわ。でも試験スケジュールがボトルネックよ。
David: 会議の最後に、スケジュールの件に circle back(立ち戻ろう)。
→ 解説: 議論が平行線になりかけたため、デイビッドは一旦話題を変える提案をしています。「後で必ず戻る」と約束することで、エミリーの懸念を無視せずに会議を進行させています。
Emily: それなら公平ね。今すぐジェイクに頼んで、チームの空き状況を確認してもらうわ。
→ 解説: 別のスタッフ(ジェイク)に確認を投げることで、自分は会議に集中しつつ、情報を得る時間を稼いでいます。
David: いい考えだ。もし彼から返事が来たら、今日中に確定できるね。じゃあ今はマーケティングプランの話に移ろう。
→ move on: 次の話題に移る、という定番フレーズ。
Emily: わかったわ。聞く準備はできているわよ。
David: 他の点をクリアにしてから、スケジュールの問題を解決しよう。
Emily: 了解したわ。進めましょう。
3-3. Words and phrases
| 番号 | 単語/フレーズ | 品詞 | 日本語解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | circle back | 句動詞 | (話題などに)戻る、後で再訪する |
| 2 | finalize | 動詞 | 仕上げる、最終決定する |
| 3 | concern | 名詞 | 懸念、心配事 |
| 4 | push back | 句動詞 | (日程などを)遅らせる、後ろにずらす |
| 5 | significantly | 副詞 | 大幅に、著しく |
| 6 | afford | 動詞 | (時間的・金銭的に)余裕がある |
| 7 | management | 名詞 | 経営陣、管理職 |
| 8 | rush | 動詞 | 急いでやる、急がせる |
| 9 | bottleneck | 名詞 | 進行を妨げる箇所、隘路(あいろ) |
| 10 | agenda items | 名詞句 | 協議事項、議題 |
| 11 | move on | 句動詞 | 次へ進む、話題を変える |
| 12 | resolve | 動詞 | 解決する |
4. 例文:すぐに使えるシンプルな表現
Can we circle back to this later? (これについては、後でまた戻ってもいいですか?) → 会議で時間が足りないときに便利な決まり文句です。
I will circle back with you tomorrow. (明日、あなたにまた連絡します。) → 確認が必要なとき、電話やメールの最後に使えます。
Let’s circle back after lunch. (お昼のあとに、またこの話をしましょう。) → 具体的な時間を指定すると、よりスムーズです。
He circled back to answer my question. (彼は私の質問に答えるために、話を戻してくれました。) → 過去形の使い方です。
Please circle back when you have the data. (データが揃ったら、また連絡をください。) → 相手に行動を促す際にも使えます。
5. 結び
ビジネスにおいて、すべての問題がその場ですぐに解決できるわけではありません。 時には、情報を集めるための時間や、頭を冷やすためのブレイクが必要なこともあります。
そんなとき、ただ「わかりません」「決められません」と言うだけでは、頼りない印象を与えてしまうかもしれません。 しかし、“Let’s circle back.” と言えば、あなたは「進行管理ができる人」「課題を放置しない人」という信頼感を勝ち取ることができます。
このフレーズは、議論を停滞させず(keep moving)、かつ重要な課題を置き去りにしないための、まさにプロフェッショナルのための道具です。
Beacon Biosciences のデイビッドのように、あなたも次回の会議で議論が行き詰まりそうになったら、ぜひこの言葉を使ってみてください。 場をコントロールし、チームを前進させる感覚を味わえるはずです。
英語学習も同じです。一度で理解できなくても大丈夫。 わからなければ、また後で circle back すればいいのです。 そうやって何度も立ち返ることで、知識は確実に定着していきます。
さあ、自信を持って、次のミーティングに臨みましょう!
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