1. 序章
「売上が落ちている」「エラーが発生した」。 ビジネスの現場でそんな報告を受けたとき、表面的な数字や事実だけを見て満足していませんか?
問題の「真因」や、データの「背後にある詳細」を知らなければ、正しい対策は打てません。 そんなとき、ネイティブのビジネスパーソンはこう言います。 “We need to drill down.”
「ドリルで穴を掘る」というイメージを持つこのフレーズは、ビジネスにおいて情報を詳細に分析し、核心に迫るための重要な合言葉です。
今回は、データ分析や問題解決の場面で必須となる “drill down” について、その意味や使い方を解説していきます。
2. 意味・由来・使いどころ・類義語
2-1. 意味
drill down は、「(データを)掘り下げる」「詳細に調べる」「深掘りする」という意味の句動詞です。
文字通り「ドリルで下へ掘り進む」動作から来ていますが、ビジネスシーン、特にITやデータ分析の文脈では、「集計された大きなデータ(概要)から、より細かい内訳や個別のデータ(詳細)へと視点を移すこと」を指します。
We need to drill down into the numbers. → 数字(データ)をさらに掘り下げて詳しく見る必要があります。
Can you drill down on that issue? → その問題について、もっと詳しく調べてもらえますか?
2-2. 由来
もともとは石油採掘や鉱業において、地下資源を探すために「ドリルで掘り下げる」物理的な動作を指していました。
これがコンピュータ用語に転用され、フォルダ階層を深くクリックしていく操作や、データの集計レベルを詳細化する操作(例:「年間売上」→「月別売上」→「日別売上」と細かく見ていくこと)を表すようになりました。
現在ではデータに限らず、議論や原因究明において「表面的な話で終わらせず、核心部分まで突き詰める」というニュアンスで広く使われています。
2-3. ビジネスでの使いどころ
- レポートの数字がおかしいとき、その原因となっている具体的なデータを探したいとき
- トラブルの原因(Root cause)を究明したいとき
- 議論が抽象的すぎるため、具体的な詳細に話を落とし込みたいとき
2-4. 類義語
- analyze(分析する)
- Let’s analyze the data. (データを分析しましょう)
- investigate(調査する、捜査する)
- We need to investigate the cause. (原因を調査する必要があります)
- look into(〜を調べる、検討する)
- I’ll look into it immediately. (すぐに調べます)
- break down(分解する、内訳を出す)
- Can you break down the cost? (コストの内訳を出してくれますか?)
3. ストーリー
3-1. 英文ダイアログ
Scene: Beacon Biosciences Lab office. Jake (Data Analyst) calls Emily (Researcher) over to his desk to look at some clinical trial data.
Jake: Emily, do you have a minute? I’m looking at the Phase 3 preliminary results.
Emily: Sure, Jake. How does it look? I hope the efficacy data is solid.
Jake: The overall average looks great. We are well above the target.
Emily: That’s a relief. Management will be happy to hear that.
Jake: However, I found a strange variance in the safety data.
Emily: What kind of variance? Are there unexpected side effects?
Jake: It’s hard to say from this summary chart. The total number of adverse events is low, but one region is higher than the others.
Emily: Is it a specific hospital or patient demographic?
Jake: I don’t know yet. I need to drill down into the raw data to see what’s happening.
Emily: That sounds worrying. If there is a pattern, we need to know before the board meeting.
Jake: Exactly. It could be a data entry error, or it could be a real clinical issue.
Emily: How long will it take to analyze?
Jake: If I drill down by patient age and location, I should have an answer by tomorrow morning. I guess I’m working late tonight.
Emily: Sorry about that. Please prioritize that. We can’t present this to Dr. Lewis without knowing the details.
Jake: No worries. I’ll pull the detailed logs right now.
Emily: Thanks, Jake. Let me know as soon as you find anything.
Jake: Will do. I’ll send you an update once I isolate the cause.
3-2. 動画
3-3. 日本語訳と解説
場面:ビーコン・バイオサイエンシズの研究室オフィス。データ分析担当のジェイクが、臨床試験データを見てもらうために同僚のエミリーをデスクに呼ぶ。
Jake: エミリー、ちょっといいかな? 第3相試験の予備結果を見ているんだけど。
Emily: いいわよ、ジェイク。どう? 有効性データがしっかりしてるといいけど。
Jake: 全体の平均値はすごくいいよ。目標を大きく上回ってる。
Emily: それは安心ね。経営陣も喜ぶわ。
Jake: ただ、安全性データに奇妙なばらつき(variance)を見つけたんだ。
Emily: どんなばらつき? 予期せぬ副作用でもあったの?
Jake: このサマリー(概要)のチャートからだと言いにくいな。有害事象の総数は低いんだけど、ある地域だけ他より高いんだ。
Emily: 特定の病院なの? それとも患者の属性(demographic)?
Jake: まだわからない。何が起きているか知るために、生データを drill down(深掘り) する必要があるんだ。
→ 解説: 概要(サマリー)だけでは詳細が見えないため、ジェイクは「もっと細かいデータ階層へ降りて調べる」という意思を示しています。
Emily: 心配ね。もし何か傾向があるなら、取締役会の前に知っておかないと。
Jake: その通りだ。入力ミスかもしれないし、本当の臨床的な問題かもしれない。
Emily: 分析にはどれくらいかかる?
Jake: 患者の年齢と場所別で drill down(深掘り) すれば、明日の朝までには答えが出るはずだよ。今夜は残業になっちゃうな。
→ 解説: 「work late」で「残業する、遅くまで働く」という意味になります。
Emily: 悪いわね。 でもそれを優先して。詳細を知らずにルイス博士に報告はできないわ。
Jake: 気にしないで。 今すぐ詳細なログを引き出すよ。
Emily: ありがとう、ジェイク。何かわかったらすぐに教えて。
Jake: そうするよ。原因を特定したら連絡するね。
3-4. Words and phrases
| 番号 | 単語/フレーズ | 品詞 | 日本語解説 |
|---|---|---|---|
| 1 | drill down | 句動詞 | 深掘りする、詳細に調べる |
| 2 | preliminary | 形容詞 | 予備の、準備の |
| 3 | efficacy | 名詞 | (薬などの)効き目、有効性 |
| 4 | solid | 形容詞 | 確かな、信頼できる |
| 5 | variance | 名詞 | 相違、ばらつき、不一致 |
| 6 | adverse event | 名詞句 | (医療)有害事象 |
| 7 | demographic | 名詞 | 人口統計学的属性(年齢、性別など) |
| 8 | raw data | 名詞句 | 生データ(加工前のデータ) |
| 9 | prioritize | 動詞 | 優先する |
| 10 | isolate | 動詞 | (原因などを)突き止める、分離する |
4. すぐに使えるシンプルな表現
- Let’s drill down into the sales figures. (売上の数字を掘り下げて見てみましょう。)
→ 会議で詳細なデータを見たいときの定番表現です。 - Click here to drill down for more details. (詳細を見るにはここをクリックして深掘りしてください。)
→ ソフトウェアやウェブサイトの操作説明でよく使われます。 - I need to drill down to find the problem. (問題を見つけるために、詳しく調べる必要があります。)
→ 原因がすぐに見つからないときに使えます。 - We drilled down by region. (私たちは地域別でデータを掘り下げました。)
→ どのような基準で詳細を見たか(by 〜)を説明しています。 - You can drill down to see daily results. (深掘りすれば、日ごとの結果が見られます。)
→ 概要だけでなく詳細も見れることを伝えています。
5. 結び
ビジネスにおいて、表面的な「結果」だけを見ていては、次に打つべき手が見えてきません。 良い結果であれ悪い結果であれ、「なぜそうなったのか?」を知るためには、データや事実を詳細に見ていく必要があります。
そんなとき、”I’ll analyze it.”(分析します)と言うのも間違いではありませんが、”I’ll drill down into the data.” と言えば、より「徹底的に、階層を掘り下げて調べる」というプロフェッショナルな姿勢が伝わります。
Beacon Biosciencesのジェイクのように、データの違和感を見逃さず、納得いくまで drill down する姿勢が、大きなミスを防ぎ、ビジネスの信頼へと繋がります。
英語学習も同じです。単語の意味を一つ覚えて終わりにするのではなく、その語源や使われる文脈まで drill down してみる。 そうすることで、あなたの英語力はより深く、盤石なものになるはずです。
さあ、恐れずに詳細へと踏み込んでいきましょう!
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